塗装屋さんのブログ
現場を訪ねて三千里 その(2)
こんにちは、小林塗装です!
先週に引き続き、私の修業時代のお話しをさせてください。
【先週の記事はこちらから御覧ください】
ヘリに乗って颯爽と、三宅島の別荘の塗装へ向かうのだと信じる若き塗装職人たち。
彼らを待ち受ける運命とは…。
…出張の準備を済ませ、ゼネコン社長の迎えを今や遅しと待ち受ける若人二人。
そんな彼らのもとへ社長自らが迎えに来てくれました。
そのゼネコン社長、普段はゴツいベンツに乗っておられましたから、
私達は当然そのベンツでヘリポートに乗り付け、ヘリでいざ三宅島へ!!
などと思っていた所、
迎えにきたゼネコン社長はコンパクトカーに乗って来たではありませんか。
出張一発目の“・・・チーン(*_*)”です(笑)
それでも仕方ない!そんな日もある!と思い、
荷物を積み込みコンパクトカーに乗車してヘリポートへ向かいます。
・・・がっ!!向かった先は
竹芝桟橋でした。
ウチの社長の滑舌が悪かったのか、私達が難聴だったのか。
ここ竹芝桟橋から出るのは“ヘリ”ではなく、“フェリー”だったのです( ゚Д゚)
二発目の“・・・チーン(*_*)”到来!!!(笑)
話が違うぞ!( *`ω´)と落胆している若人二人を横目に、
ゼネコン社長、淡々と乗船手続きを始めます。
我々も、まな板の鯉状態ですから従うしかありません。
で、乗船した船室はなんと!!
二等客室(?)でした、他の乗客の皆さんと雑魚寝です。
三発目の“・・・チーン(*_*)”です。
「ベンツでヘリ」が
「コンパクトカーでフェリー」に…。
「クソーーーーッ!!」と
海に向かって叫びたかったですが、これも修行です。
気を取り直したところで船は夜中には竹芝桟橋から出港し、
軽い船酔いに苦しみながらも三宅島へは早朝に着きました。
竹芝から三宅島までは確か…5~6時間だったと記憶しています。
とにもかくにも島へは無事に到着。
ゼネコン社長の別荘へ行き、仮眠をとってから作業にかかろうとした所で
問題発生です。
竹芝まで持って行った塗料が危険物(石油類)指定との事で更に手続きの必要があり、
面倒だから現地で入手することにしたので、三宅島で調達しなければなりませんでした。
…もうお分かりかと思いますが、この時点で私達も心が折れ始めております(笑)
さて、三宅島ではいわゆる、ホームセンターといった金物屋的なお店があり、
なんとか塗料も調達できました。
余談ですが、その買い物のついでに島をドライブしてみました。
潮風に吹かれ島一周、一時間もかからなかったと記憶しています。
若人二人は塗料も準備できたし、さぁ作業開始!で、
社長は社長で自分の船で趣味の釣りへ出かけて行きました。
さて肝心の塗装。
傷んでいた、とは言っても、塗装する箇所は木製の濡縁、塗りやすい箇所ではありました。
とは言え、モロに潮風を受けていたので、結構な傷み具合で何度か重ね塗りが必要な状態でした。
まずは養生をして下処理をし、いざ塗装!となった所でゼネコン社長のお帰りです。
“あれ、お早い帰宅だな?”と思っていたら、まさかの釣り用の船が故障との事!
ゼネコン社長、楽しみにしていた釣りができなくなったモノですから
口にこそ出しませんが、明らかに態度でご立腹なのが分かり、若人二人困惑です。
さらにゼネコン社長、やる事もないので我々の作業を、
ジーっと見つめているのですから若人二人も針のムシロ状態です。
そして事もあろうかゼネコン社長は突然
「明日帰る!」と言い出したのです。
まだ塗装作業も緒についたばかり…。
いったい、二人は無事に塗装の使命を果たせるのでしょうか…?
三宅島追憶編はいよいよ来週で最終章です!